よくある問題の概要（パート3）

たるみやランニングとは何ですか?

たるみ （別名 ランニング）とは、自動車の塗装工程において、塗膜が厚すぎたり、不均一に塗布されたりすることで発生する塗装ムラのことです。重力の影響で塗料が下方に流れ落ち、筋状の跡、垂れ、あるいは涙のような形状の跡が残ります。垂れは外観を損なうだけでなく、塗膜の厚さにもムラが生じ、塗膜の性能と耐久性を損ないます。

たるみの特徴：

• 外観:
  塗装面には目立つ縞、流れ、または流れ跡があり、多くの場合、余分な塗料が下向きに流れ落ちる跡として現れます。

• 表面の質感:
  表面は部分的に塗料が付着しており、凹凸があるように感じます。

• 典型的な発生例:
  たるみは通常、重力によって塗料が滑り落ちる垂直面または傾斜面に現れます。

たるみの一般的な原因:

1. コーティング厚が厚すぎる
   一度に塗料を塗りすぎると、均一に乾燥せず、塗料が流れ落ちてしまいます。

2. 散布距離が近すぎる
   スプレーガンを表面に近づけすぎると、塗料が狭い範囲に集中し、厚塗りになりすぎてしまいます。

3. 噴霧速度が遅い
   スプレーガンをゆっくり動かしすぎると、特定の領域に塗料が蓄積し、垂れ下がるリスクが高まります。

4. 過剰に薄めた塗料
   シンナーの比率が正しくないと、塗料が流動的になりすぎて流れが悪くなり、垂れ下がる可能性が高くなります。

5. 不利な散布環境
   気温が低い、換気が悪い、溶剤蒸気の濃度が高いなどの場合は乾燥が遅くなり、塗装面が濡れすぎて垂れ下がりやすくなります。

6. スプレーガンの設定が間違っている
   低空気圧で大きすぎるノズルを使用したり、スプレーパターンが狭いと、塗料の吐出量が多くなり、垂れ下がりの原因になります。

7. 不適切な表面処理
   脱脂が不十分であったり、洗浄が不十分だと、塗料の密着が悪くなり、特に汚れや光沢のある古い塗膜では、塗料のタレが発生するリスクが高まります。適切な研磨と洗浄が不可欠です。

自動車塗装時の垂れを防ぐ方法

1. コーティングの厚さを制御する
   薄く均一に塗ってください。一度に厚く塗りすぎないようにしてください。

2. 適切な散布距離を保つ
   塗料を均一に塗布するには、スプレーガンを表面から 15 ～ 20 cm 離してください。

3. 噴霧速度を調整する
   スプレーガンは一定の中程度の速度で動かしてください。どの部分でも一時停止したり速度を落としたりしないでください。

4. 塗料配合の最適化
   適切な粘度と流動性を確保するために、製造元の推奨に従って塗料を厳密に希釈してください。

5. 散布環境の管理
   推奨条件、理想的には 20 ～ 25°C の温度と十分な換気の下でスプレーしてください。

6. スプレーガンの正しいセットアップ
   スプレーガンは定期的に校正してください。ノズルのサイズ、エアキャップ、空気圧が使用する塗料の種類に適合していることを確認してください。

たるみを直す方法:

• 研磨と磨き：
  軽度のたるみの場合は、影響を受けた部分を細かい目のサンドペーパー（1500～2000番）で研磨し、表面を磨いて滑らかさと光沢を復元します。

• ローカル再描画:
  よりひどいたるみの場合は、影響を受けた部分を徹底的に研磨し、塗装を塗り直して部分的な修復を行ってください。

結論：

適切なスプレー技術に従い、環境要因を制御し、正しい機器と塗料配合を使用することで、垂れや流れを効果的に防ぎ、滑らかで高品質な自動車仕上げを確保できます。